薄毛治療はどれくらいの期間で効果を実感?|治療法ごとの治療期間

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薄毛治療はどれくらいの期間で効果を実感?|治療法ごとの治療期間

 

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男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症(FPHL)に対して現在さまざまな治療が行われています。実際に治療を始めたらどれくらいで効果が現れるのか、最終的に治療期間はどれくらいになるのか気にかかる方が多いことでしょう。今回は日本皮膚科学会推奨(※1)の4つの治療法(フィナステリド内服、デュタステリド内服、ミノキシジル外用、自毛植毛術)を取り上げ、治療効果と治療期間について解説していきます。

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3つの治療薬について効果と治療期間を紹介し、治療薬を利用する際の一般的な注意点を解説します。

男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症(FPHL)の原因は毛の自然な生え替わりと関係しています。これについて簡単にまとめておきましょう。

毛は周期的に生えたり脱けたりを繰り返す

毛を生み出しているのは皮膚の表層にある毛包(もうほう)と呼ばれる部分です。毛包は通例2~6年かけて成長し、この間に毛が伸びていきます。
やがて毛包が萎縮して休止期に入り、いったん毛は抜け落ちますが、しばらくすると毛包は成長を再開し、毛も再び伸び始めます。このサイクルを繰り返しながら毛は絶えず生え替わっているのです(※1)。

フィナステリド内服

フィナステリドは男性型脱毛症のおもな要因である5α還元酵素の働きを阻害する薬です(※1)。5α還元酵素にはⅠ型とⅡ型があり、フィナステリドはⅡ型の働きを弱める効果を持ちます。女性型脱毛症には効果がありません。5α還元酵素は毛の発生源である毛包(もうほう)を縮小させてしまい、薄毛を引き起こします。フィナステリドを内服すると5α還元酵素の働きを弱め、毛包を正常に近づける効果が期待できます。通常6か月程度の服用で効果が確認できます(早い人では3か月程度で効果が現れます)。6か月間服用しても効果が現れない場合は投薬を中止して別の治療法を検討することになります。効果の表れ方や改善の程度には個人差がありますが、治療期間に応じた効果の目安をまとめると次のようになります。

治療期間 期待される効果
開始~3か月 抜け毛の減少
生え際にうぶ毛が目立つ
4か月~6か月 うぶ毛が太くなり、伸びる
薄毛が目立たなくなり始める
周囲の人に「髪が増えた?」と言われる
生え際にうぶ毛が目立つ
6か月~1年 明らかな抜け毛の減少毛髪のボリュームを感じる
後退していた生え際が前進する
4人に1人は十分な効果を実感する
理・美容師に「髪が増えた?」言われる
1年~3年 薄毛が徐々に減る
4人に3人は十分な効果を実感する
それまでに改善がなかった部位でも改善が見られる
4年以降 改善した毛髪が維持される

MSD Connect「プロペシアの治療期間と期待される効果」(※2)をもとに作成

デュタステリド内服

デュタステリドはフィナステリドと同様に5α還元酵素の働きを弱める作用を持ちます。女性型脱毛症には効果がありません。デュタステリドは5α還元酵素のⅠ型・Ⅱ型両方に作用し、成分が体内にとどまる期間が長いため、フィナステリドよりも効果がやや高いとされます(※3)。ただし副作用のリスクも比較的大きくなります(※1)。効果が現れるまでの期間はフィナステリドと同じで、早い人で3か月程度、通常は6か月程度です。6か月の服用で効果が出ない場合は服用を中止して別の治療法を検討します。

ミノキシジル外用

ミノキシジルは毛包の細胞の成長を促進する働きを持つ薬です。男性型脱毛症だけでなく女性型脱毛症でも効果が確かめられています。男性型脱毛症の場合5α還元酵素が毛包にマイナスの影響を与えていますが、ミノキシジルを患部に塗布することでこの影響を相殺し、毛を濃く太くする効果が期待できます。女性型脱毛症の原因ははっきりと分かっていませんが、5α還元酵素の働きは無関係だと考えられています。ミノキシジルは毛の発生源である毛包そのものを活性化するため、フィナステリドなどと違って女性型脱毛症でも効果が現れます。日本では男性に対して5%濃度、女性に対して1%濃度までのミノキシジル外用が認可されています。効果が実感されるまでにかかる期間の目安は、5%濃度のミノキシジルで通常4か月程度、1%濃度のミノキシジルで通常6か月程度です(※4)。5%濃度のものを6か月(1%濃度ものを1年)使用しても改善が見られない場合は、使用を中止し別の治療法を検討します。

治療薬は中止すると効果が消失。継続が必要!

男性型脱毛症・女性型脱毛症の根本的な原因(遺伝的体質など)を改善する治療薬は残念ながらまだ開発されていません。フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルは原因を取り除くわけではなく、原因に拮抗する働きを持つだけです。したがって、使用を中止すると原因の力が回復して薄毛の進行が再開してしまい、これまでの改善効果も無駄になります。治療効果を維持するためには使用を継続していくことが必要です。

自毛植毛術の効果と治療期間は?

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自毛植毛術とは、健康な頭皮を自分の頭から採取し脱毛症の患部に移植する治療法のことです。採取した頭皮を髪の毛数本程度の単位に分け、慎重に植えつけていきます。薄毛になりにくい後頭部から頭皮を採取するのが普通です(※5)。

手術と術後の回復にかかる期間

自毛植毛の手術(採取と移植)そのものは通例1日の入院で完了します。ただし手術の方法や期日を決めるために事前カウンセリングを十分に行うことが必要です(※6)。移植された頭皮の毛は術後1~2か月でいったんすべて抜け落ちます。個人差はありますが、術後2~3か月程度で新たに発毛が始まり、半年程度でうぶ毛が生えそろいます。徐々に毛が太く長く成長し、術後10か月頃から効果が実感できるようになっていきます(※5)。1度に移植できる本数には限りがあります。2回目の移植をするには手術跡の回復や発毛の進行を待って数か月は間隔をあける必要があります(※7)。

植毛の効果は持続。ただし治療薬併用の検討も必要

自毛植毛術で移植される頭皮はもともと薄毛になりにくい性質を持っています。手術が成功し、移植先に定着して生きて働くようになれば、発毛効果は持続すると考えられます。ただし、年齢とともにさらに脱毛症が進行し、ほかの部分の髪が薄くなってくる可能性は当然ながら存在します。移植した部位の周辺が薄くなってしまうと、せっかくの移植の効果も台無しです。そのため、治療薬を併用して薄毛の進行を予防することが望ましいと言えます(※8)。

長い目で見て、自分に合った治療法を選択しましょう

どの治療法でも治療の効果を実感するまでには時間がかかりますが、どれくらい待てばよいのかについてある程度見通しを立てることができます。ただし、治療薬の効果を維持するためには使用を継続する必要があり、自毛植毛の手術後にも治療薬の併用が推奨されます。効果が期待できる治療法はあるものの、治療を「完了」するのは難しいのが現状です。それぞれの治療法の内容や費用について医師などとよく相談し、長い目で見て自分に適した方法を選ぶようにしましょう。

 

リファレンスURL
※1)日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/derma

tol/127/13/127_2763/_pdf/-char/ja
※2)MSD Connect「プロペシアの治療期間と期待される効果」
https://www.msdconnect.jp/sta

tic/mcijapan/images/propecia-effect_summary.pdf
※3)男性型脱毛症治療の現状と今後の展望 「p80 4外用療法 ①ミノキシジル」
https://www.jstage.jst.go.jp/arti

cle/fpj/133/2/133_2_78/_pdf/-char/ja
※4)大正製薬「発毛成分ミノキシジルについて 7.ミノキシジルの使用期間」
https://brand.taisho.co.jp/contents/riu

p/detail_207.html
ロート製薬「リグロEX5」
https://jp.rohto.com/regro/
スカルプD「メディカルミノキ5」
https://scalp-d.angfa-store.jp/brand/m

edicalminoxi5/
東和薬品「ミノアップ」
https://www.towayakuhin.co.jp/health

care/otc/minoup/
※5)ヨコ美クリニック「自毛植毛とは」
https://www.yokobikai.or.jp/transplant

/index.html
※6)ヨコ美クリニック「治療の流れ」
https://www.yokobikai.or.jp/flow/ind

ex.html
※7)ヨコ美クリニック「次の植毛はいつできますか?」
https://www.yokobikai.or.jp/faq_home

/q20.html
※8)親和クリニック「なぜ植毛後も内服を続ける必要があるのですか?」
https://shinwa-dr.net/qa/43/

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